住宅塗装レポート132


現在施工中の現場です。
こちらの写真をご覧ください。
施工前の写真です。(まだ高圧水洗浄もしておりません。)
下地の鋼板表面の塗膜があちこち剥がれております。
パラペット高圧水洗浄前3.jpg

 一般的に塗膜が剥がれる原因はいくつかありますが、今回考えられる原因は「塗料選定ミス」と思われます。

 この部分の素材は鉄板ですがトタンのようなものとはちょっと違い、表面にポリ塩化ビニル樹脂をコーティングした「塩ビ鋼板」などと呼ばれているものです。
 塩ビ鋼板表面のビニール部分には可塑剤と言われる添加剤(物質を柔らかくする添加剤)が含まれております。可塑剤はその上に塗った塗料にまで染み出し、塗料が硬貨不良を起こしてしまい、長期にわたり塗装表面がベタベタした状態になってしまいます。そして埃やごみが付着し汚くなります。最終的には硬化不良を起こしているので、下地との密着性が無い為はがれてしまいます。剥がれた部分をよく見ると下塗りに一般的な金属用の錆止塗料(赤さび色に見えている部分)を使用したものと思われます。

 このような塩ビ鋼板の場合は専用の仕上塗料もしくは専用の下塗り材を選定する必要があります。

(専用仕上げ材の商品例)
軟質塩ビコートSi.pdf

(専用下塗り材の商品例)
ニッペ 塩ビゾルウレタンプライマー.pdf


このように下地の種類を事前に見極め、それと相性が良い塗料を選定しないと、どんなに良い塗料を規定量しっかり塗ったとしても結局不具合を起こしてしまいます。全く意味がありません。

弊社ではお見積もりの前に「外装劣化診断」を行っておりますが、それは単に建物の劣化状態をチェックしているだけではなく、部位ごとに素材の種類のチェックもしっかりと行っております。それで初めて適切な下地処理の方法や塗料の選定が可能になります。



外壁塗装 プロタイムズ 小山市