建物劣化診断 瓦の種類
- 投稿日:2020年 3月16日
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先ずは、先日診断に行った建物の屋根(2棟分)の様子です。
一見同じような瓦に見えますが、左が「セメント瓦」で右が「モニエル瓦」になります。
モニエル瓦は表面の着色層(今回は表面の赤茶色の部分)が非常にもろく、そのまま塗装をするとすぐに(この着色層もろとも)塗装がはがれます。
塗装をする前に、高圧水洗浄やケレン作業でこの脆弱着色層をしっかりと落としてから塗装をすれば大丈夫です。(もちろん塗料はモニエル瓦に適したものを選別しなければなりません。)
※モニエル瓦でも一部の商品は着色層がしっかりしているものもあるようです。
セメント瓦かモニエル瓦かを見極める方法は、まずは建築図面の1つである仕上げ表をチェック。
仕上げ表にはどの部位にどんな素材のものが使ってあるか記載されています。ここに屋根の項目に「モニエル瓦」などと記載があれば、塗装する際は「モニエル瓦の塗装仕様」になりますので、見積もりをもらった際は、提出業者さんに仕様を確認しましょう。
※セメント瓦の場合は普通に高圧水洗浄の上、各種塗装作業となります。
※仕上げ表に記載があっても、設計変更になっている場合がありますので、実際に見たほうが(業者さんにみてもらった方が)よいでしょう。
見た目でも違いがあります。
(セメント瓦)
(モニエル瓦)
瓦の小口部分が平らなのが「セメント瓦」、ガサガサなのが「モニエル瓦」です。
この写真のモニエル瓦は表面の着色層がすでにかなり摩耗して落ちてしまっています。